世界の神様の数。神は何人いるのか?
世界中見渡すと、様々な宗教があります。
宗教の数だけ神様が居ます。そして、一神教と
多神教に別れます。
特定の民族だけの宗教、民族を超えた幅広い宗
教、万物全てに神がやどるとする自然崇拝など
信仰の対象は、色々あります。
いったい、神様は、いくつ居るのでしょうか?
そんな素朴な疑問を深く掘り下げてみたいと思
います。
神とは何か
神とは、様々な宗教において、人智を超えた尊
崇あるいは畏怖する存在とあります。
超自然的な特殊な能力を持ち、それらの力を擬
人化したものです。
宇宙や人類を創造した全知全能の絶対者。
人類に平和をもたらす優しさと裏腹に災いも、
もたらす怖い存在でもあります。
そして自然崇拝では、巨木や巨石、山や水、滝
などに神が宿るとして祀る場合もあります。
擬人化された神の多くは、創造神として崇めら
れ世界を作った存在とされています。
そして、その神は、一人の場合の一神教と、多
様な神々が居る多神教そして自然崇拝と大きく
分類できます。
多くの宗教では、特定の神様だけを崇めるので
すが、日本の場合は、古来縄文時代から続く自
然崇拝、日本神道、仏教、そして外来の宗教と
混然としています。
日本だけ、他の様々な宗教の神を、八百万の神
のひとつの神様として認めることができる包容
力があります。
それは、恐らく日本古来の宗教が自然崇拝によ
るところが、大きく影響しているのではと、思
われます。
ところが、世界では、自分の信じている神様以
外は、邪教だとして絶対に受け入れない民族も
います。それは、しばし、侵略や戦争の火種に
もなっています。
今日においても宗教あるいは、その宗派に別れ
て争いが起きています。
日本人から見れば不思議ですが、当の本人たち
は、宗教に熱心なので、争いを聖戦と位置付け
て真剣に戦っています。
神の存在は、本来は平和と結びつくものなのに
争いを続ける民族は、何かたいせつなものを信
仰に集中するあまり見失っているのです。
宗教の中には、侵略して土着の神を抹殺して自
分たちの価値観(宗教)を押し付けるのが正し
い道とするものもあります。
流石に現代では、そういうことは少なくなって
いますけど、布教活動と称して自分たちの宗教
を絶対だと信じている人も少なくありません。
神様の数を調べる
神様は、いったい世界にいくつ居るのか?
畏れ多くも気になるものです。
それでは、地域別に神様の数を見ていきたいと
思います。
尚、ここでは、神様の数を日本式に「柱」とい
う単位、仏様は「体」で表します。
まずは、地域を超えて多くの信者がいる、所謂
アブラハムの宗教。
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の神様は、
1柱です。一神教ですね。
エジプト神話。45柱。
たくさん居そうなイメージです。古くから記録
に残る神々。もちろん多神教です。
メソポタミア神話。21柱。
シュメール神話。10柱。
シュメール神話の神々は、他の宗教にも影響を
与えています。かなり古い神々です。
バビロニア神話。5柱。
アッシリア神話。3柱。
ウガリット神話。9柱。
ウガリット神話は、旧約聖書の原典とも言われ
る古い神話です。そう考えると、アブラハムの
宗教の元は多神教だと思えるのですが・・・
ヒッタイト神話。72柱。
これも古い神話で、神様のバリエーションも多
彩です。
アルメニア神話。6柱。
ゾロアスター教。23柱。
世界最古の宗教といわれるものです。他の宗教
にも影響を与えています。日本には、拝火教と
して中国から伝わっています。
エヴェンキ族の宗教。1柱。
中国の神話。20柱。
道教。111柱。
日本神話。380柱。
多神教で有名な日本神話。その数は、他の宗教
を圧倒しています。
陰陽道の神。41柱。
日本の民族民間信仰の神。122柱。
日本の人神。195柱。
例えば、菅原道真や徳川家康です。
琉球の神。5柱。
アイヌの神。11柱。
仏教。これは、神と捉えるか微妙なところです
が、仏様の中には、基を辿ればバラモン教の神
だったりするので、この企画では、崇める対象
の神様とすることにしました。
数え方は、他の神と違い仏像を基準にします。
如来部。61体。
菩薩部。43体。
観音部。602体。
観音様の種類は、圧倒的です。
明王部。16体。
天部。49体。
開祖、高僧。17体。
垂迹神(すいしゃくしん)。26体。
三尊像等。4体。
その他。18体。
なんと、日本の仏教だけで836体の仏様の種
類がありました。
ヒンドゥー教。61柱。
これも多神教で有名な宗教です。そのベースは
古くバラモン教の影響を受けています。
BC1000年~BC500年に編纂された古
代インドの聖典「ヴェーダ」を起源とする宗教
です。
ギリシャ神話。75柱。
こちらも多神教で有名ですね。彫刻などにたく
さんの神々が残されています。
ローマ神話。27柱。
エルトリア神話。7柱。
サルデーニャ島の神々。4柱。
ダキア人の神々。13柱。
ケルト神話。36柱。
北欧神話。36柱。
オセティア・ナルト神話。10柱。
スラヴ神話。15柱。
ラトビア人の神々。12柱。
リトアニアの神々。6柱。
古代プロイセンの神々。9柱。
フィンランド神話。8柱。
アフリカ大陸(エジプトを除く)
部族がたくさんあるので、様々な神話や宗教が
あります。
アカン族の神話。2柱。
アカンバ族の神話。1柱。
アシャンティの神話。4柱。
コンゴの神話。1柱。
イボ族の神話。3柱。
ズールー族の神話。5柱。
ブションゴ族の神話。2柱。
ダホメ神話。14柱。
ディンカ族の神話。4柱。
エフィク族の神話。2柱。
ウルボボ族の神話。1柱。
コイコイ人の神話。4柱。
サン人の神話。6柱。
トゥンブカ族の神話。1柱。
ドゴン族の神話。3柱。
ピグミー族の神話。3柱。
ヨルバ族の神話。18柱。
ルグバラ族の神話。2柱。
ロトゥコ族の神話。1柱。
メソアメリカ
遺跡で有名な土地ですが、侵略者に滅ぼされて
しまった宗教と葬られた神々です。
アステカ神話。43柱。
マヤ神話。18柱。
北アメリカ
ネイティブインデイアンの宗教がたくさんあり
ます。
アベナキ族の神話。5柱。
イヌイットの神話。9柱。
グアラニー族の神話。2柱。
クリーク族の神話。1柱。
クワキウトル族の神話。1柱。
サリシ族の神。1柱。
チベワ族の神話。3柱。
ハイダ族の神話。6柱。
ヒューロン族の神話。1柱。
ホピ族の神話。8柱。
イロコイ族の神話。7柱。
スー族の神話。14柱。
ナバホ族の神話。9柱。
ズニ族の神々。4柱。
セネカ族の神々。4柱。
南アメリカ
インカ神話。23柱。
オーストラリア・オセアニア
アボリジニーの神話。24柱。
ポリネシアの神話。13柱。
他にも、少数部族の宗教の神や、埋没してしま
った神々も居ると思いますが、以上が世界の神
々です。
調査には、ウィキペディアを使用しているので
まだ未調査のカウントされていない宗教や神様
も居ると思いますが、上記の神様で集計をした
いと思います。
世界の神の数
2,513柱。
これが、現在把握できる主要な神々の数です。
一神教の人にとっては、受け入れがたいことか
もしれませんが、これが事実です。
しかし、実際は、もっと、もっといらっしゃい
ます。それは、世界中を見てもそうなんですが
土着の神々は、ひっそりと佇んでいます。
そして、日本。
神を崇め祀るものと考えれば、日本には、まだ
まだ膨大な神様が居ます。
例えば、道祖神。道端にある可愛い神様です。
日本中にありますが、長野県の安曇野は、日本
一で約400の道祖神があります。
そして、日本では、古来から「山」そのものを
御神体として崇めてきました。
大きな山の頂上には、だいたい石の祠が鎮座し
ているし、山自体を御神体に据えた神社もたく
さんあります。
有名なのは、埼玉県の金鑚(かなさな)神社。
社殿背後の御室山を御神体とするため、社殿に
御神体を祀る本殿を設けない古代祭祀の姿を現
代に残しています。
日本の山の数は、1万6667と言われます。
その全てが神様という訳では、ありませんが、
たくさんの「山神」がいるのは、間違いないで
しょう。
小さな里山の麓に小さな神社があったりするの
で山の神は、膨大な数にのぼると思われます。
それから、これは、日本独自の祀り方だと思う
のですが、国家に殉じて戦争などで亡くなった
方を神様として合祀するという考えかたです。
そう、靖国神社です。
そこに祀られた人神の数246万6532柱。
この数は、先ほどの神々の数に敢えて入れませ
んでした。数がはっきりしているのに、残念な
ことですが、万人が認める神とは言えないと思
い外しました。
こうした神々を累計すると、世界の神様は、そ
れこそ八百万の神々で溢れます。
日本人の神に対する考えかた
靖国神社の英霊を神々に入れるのか!
世界中の人から見れば、奇異に映るでしょう。
しかし、普通の日本人なら、靖国神社を訪れれ
ば、その独特の「気」に思わず襟を正すのでは
ないでしょうか。
日本は、信仰が自由の国です。
隣の国とかは、靖国神社参拝反対と熱く語って
いますが、よその国の宗教にイチャモンをつけ
てくる失礼な態度だと思います。
日本人は、道端の小さなお地蔵さんにも敬意を
払う民族です。
そして、万物全てに神が宿ると言っても、抵抗
無く受け入れる態度を持っています。
トイレの神様や貧乏神だって居るくらいです。
縄文時代、いやその遥か昔から、そういう態様
だったのではないでしょうか。
縄文遺跡の貝塚などを見れば、その片鱗が伺え
ます。
そうした考えは、深くDNAに刻まれます。
その証拠に、シルクロードを伝い、様々な宗教
や考えが伝来しても、日本独自の考え方の中で
上手く消化して日本式に取り入れられていきま
した。
キリスト教が、伝来した時ですら、世界中の様
々な土地が侵略され改宗を強要されたのに、日
本は、そうはなりませんでした。
まあ、その頃は戦国時代です。
武士は強いですから、武力で圧倒するのも難し
いですし、すでに仏教や神道が定着していたし
中国が唐の時代から、キリスト教は、景教とし
て、その存在を知っていました。
世界を植民地化していた国々は、鉄砲の威力で
キリスト教を無理強いしてきましたが、手先が
器用で学習能力の高い日本人は、鉄砲伝来と同
時に模倣し大量生産してしまいました。
その数約50万丁。世界の中でも突出した鉄砲
の保有数です。
なので、日本を征服することは困難でした。
だから、わざわざキリスト教に改宗する必然性
も強要されることもありませんでした。
当時の日本の戦力と鉄砲の数が、キリスト教化
を防いだといってもよいでしょう。
また、日本の為政者は、キリスト教が、植民地
化につながることを知っていたので、弾圧をし
たくらいです。
それに、日本では、古くから居る神々が深く民
衆に根付いていたので新しい外国の宗教を敢え
て選択する必然性が、ありませんでした。
日本と言えば「神道」だと思う人も多いと思い
ますが、実は、盛んになったのは、明治期。
天皇中心の国家作りに、日本神話が利用された
のが実態です。
今でこそ、どこの神社でも人格性を持った神が
祀られていますが、それは、明治期に行ったも
のが多いのです。
主祀神何々というやつです。
本来は、別な神様を祀っていた神社が、明治政
府の意向で「神話」の神に変えられていったの
です。
それ以前は、途方もなく長い歴史の血脈が受け
継がれた「自然崇拝」というのが本来の在り方
でした。
だからこそ、日本人は、宗教に対して特別な感
情を持たず、他の国の神様でも、ああ外国の神
様なんだと容易く受け入れます。
日本人は、無宗教が多いと世界からは奇異に見
られていますが、お盆やお彼岸は、ご先祖供養
でお寺やお墓に行きますし、クリスマスは、祝
うし、お正月は、神社に行きます。
無宗教という訳でなく、古来からの伝統で、マ
ナーや哲学を自然に身に着けていたので、敢え
て宗教に頼らなくてもよかったのです。
なんという包容力でしょう。
そして、物を大事にする考えは、自然崇拝から
発生しています。
だから、今さらSDGSだなんだと「特別」な
考えを持たなくても、日本人は、太古の昔から
物を大事に敬い未来に繋げてきました。
特に、自然を大事にする考えは、日本人なら誰
でも身についています。
物や自然物に神が宿るという事をなんら不思議
に思わない日本人。
環境問題を考えるなら、まずは、こうした日本
古来の「神」に対する姿勢を見てみては、いか
がでしょうか。
まとめ
宗教の話題は、もっぱらタブーとされることが
多いのですが、今回敢えて挑戦してみました。
神様の数を調べるなんて罰当たりという人も居
るかもしれません。
人は、信じる神様は、自由でイイと思います。
しかし、自分の信じる神が絶対で、他の宗教の
神を邪心扱いする態度は、あまり良い行いとは
言えないと思います。
日本は、八百万の神様に、836の仏様や観音
様、そして自然物にまで神が宿る国です。
「人」さえ神様にする国です。
これは、多様性のなせる業です。
日本では、世界中の美味しい食べ物が食べられ
る珍しい国ですが、外国料理を日本独自に昇華
し、より美味しくしています。
宗教も同じように、日本式に溶け込んでいきま
した。その源流には、自然を畏怖し敬い、万物
に神が宿るという日本人の気質があるのではな
いでしょうか。